私の健康が、将来抱く自分の赤ちゃんの健康だということ。
子供たちが健康に育つことが、まちが健全に維持されるということ。
講演会「DOHaDから学ぶ胎児の健康とその未来」
日時:2018年7月26日(木)18:30~20:00
会場:豊富町定住支援センターふらっと★きた
講師:玉腰 暁子 氏
北海道大学大学院医学研究院 教授(疫学・予防医学/公衆衛生学)
北海道大学COI『食と健康の達人』拠点研究リーダー
主な経歴:名古屋大学医学部卒、名古屋大学大学院医学研究科満了
名古屋大学大学院、国立長寿医療センター、愛知医科大学を経て、2012年より現職。COIでは岩見沢市の母子健康調査を実施するとともに、研究リーダーとしてCOIで行う研究全体を統括。
私たちが北海道大学から連絡をいただいたのは、去年の4月でした。
入院している人、高齢で食事のできない人、何かしら食事に課題を抱えた人たちも
おいしいものを食べて幸せになる権利がある。
アイスなら、それができるんじゃないか。
私たちは、北海道らしい安心安全で美味しいアイスをつくりたい。
ぜひ豊富牛乳や豊富のバターでアイスをつくりたいのだ、と。
海外では熱があって食欲のない方も食べやすかったり
口の中で溶けるため嚥下の心配がないことから
病院食としてアイスがよく出されるのだとか。
そうしてスタートした豊富牛乳でのアイスづくり。
豊富牛乳を製造する豊富牛乳公社の資本元であるセコマと
北海道大学COI「食と健康の達人」ブランドでアイスを開発し
この夏発売開始となります。
今回の講演会ではそのアイスを先行して
豊富町のみなさんにご試食いただける機会ともなります。
講演会のお話は「DOHaD(ドハード)」。
聞きなじみのないフレーズかもしれません。
1980年代から1990年代初頭にかけて「低出生体重児は成人期に糖尿病や高血圧、高脂血症など、いわゆるメタボリックシンドロームを発症するリスクが高い」という疫学調査の結果が相次いで報告されました。
「発達過程(胎児期や生後早期)における様々な環境によりその後の環境を予測した適応反応(predictive adaptive response)が起こり、そのおりの環境とその後の環境との適合の程度が将来の疾病リスクに関与する」と考えられています。
これがDOHaD「将来の健康や特定の病気へのかかりやすさは、胎児期や生後早期の環境の影響を強く受けて決定される」という概念です。
私たちは、このアイスづくりプロジェクトの中でこの考え方に出会いました。
日本では低体重で生まれてくる赤ちゃんが約10人に1人の割合でいます。
それがどのくらいかというと、先進国の中ではダントツに多く、バングラディシュなどと同割合だそうです。
これは、妊娠前、妊娠中の母体の栄養状況が大きく影響しています。
低体重で生まれた子どもたちは大人になってから、糖尿病などのメタボリックシンドロームにかかるリスクが高いなどの影響が報告されてきています。
北海道大学 COI『食と健康の達人』拠点は、「女性、子供と高齢者にやさしい社会」の実現を目指し、研究開発と新しい価値の創造を進めています。
今回の講演では、DOHaDの概念を踏まえ、北海道大学COIが住民・自治体・医療機関・企業とともに実施している「母子健康調査」のご紹介を交えながら、皆さんとともに豊富の未来の子どもたちのための環境づくり、まちの未来について考えたいと思います。
ぜひ、妊娠を控えた女性だけでなく、ご家族のために、子供たちに携わる全ての方に、ぜひお越しいただきたいと考えております。
時節柄、お忙しいこととは存じますが、お誘いあわせのうえ、皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。
主催:北海道大学COI『食と健康の達人』拠点
協力:㈱川島旅館、豊富牛乳公社
お問合せは川島旅館へ